日本の本草学での水虎と河童
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 02:26 UTC 版)
寺島良安『和漢三才図会』は、「水虎」にひきつづいて「川太郎」(河童)を書いているが別項目にしており、見た目などの相違点から日本の河童を水虎とは少し異なるものであるとしている。同書は漢名由来で同種とされている動植物についての差異はしばしば本文に取り上げており、このような記述はその一例であると言える。川にいる存在の総称として用いられているものの、水虎と河童が特徴や性質の上で異なる部分があるという認識は、小野蘭山『本草綱目啓蒙』でも、本文は日本の河童の情報、注として中国の水虎についての引用文を分けて掲載していることからも分かる。 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』には、「水虎はかたち小児のごとし。甲は綾鯉(せんざんこう)のごとく、膝頭虎の爪に似たり。もろこし(唐土)速水の辺(ほとり)にすみて、つねに沙の上に甲を曝すといへり」とあり、これは『和漢三才図会』の内容をそのまま下敷きにしており、河童ではなく中国の水虎をそのまま描いている例である。
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