日本においての司法消極主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:43 UTC 版)
「司法消極主義」の記事における「日本においての司法消極主義」の解説
少なくとも第二次世界大戦後の日本は基本的に司法消極主義であり、戦前は大日本帝国憲法に違憲審査権の規定がなく、司法は違憲審査権を有しないと解されていた。 日本国憲法第81条においては、最高裁判所を終審裁判所として違憲法令審査権を有すると規定されている。しかしながら、その権利が行使されたのは数えるほどであり、日本は極端な司法消極主義とも判例主義(≠判例法主義)ともいわれる。なお、ドイツにおいて2007年に連邦憲法裁判所のホームページ上で公表された統計資料によれば、 2006年の憲法訴願の処理件数は5,782件を数える。 日本国憲法第81条は、アメリカ型の付随的違憲審査制を採っていると解するのが通説である。したがって、現実的には違憲「立法」審査権ではなく「裁判で実際に問題になった事件上でのみ行使できる」限られた違憲審査権である(立法行為のみの時点で審査できるのではなく、それが現実の裁判で問題になって初めて権利を行使することができる)。また、この点は議論の余地があるものの「日本国憲法に違反する行政処分取消請求 最高裁昭和27年10月8日大法廷判決」において、裁判所は具体的事件を離れて合憲性・違憲性を判断する立場でないとの判決を出しているので、前者のように解するのが妥当である。また、具体的事件に縛られないで違憲審査権を行使できるのが抽象的違憲審査制である。 「違憲審査制#日本」も参照
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