旅の経験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 10:08 UTC 版)
サアディーが旅をした地域は、東はホラーサーン、トルキスタン、カシュガル、ガズニー等、南はパンジャーブ、ソームナート、グジャラートからアラビア半島、北はアゼルバイジャン、西はイラク、パレスティナ、シリアやエジプトなど北アフリカに及んだ。メッカへの巡礼(ハッジ)は14回行い、多く訪れた土地としてはイスファハーン、タブリーズ、バスラ、クーファ、アレキサンドリアなどがある。こうした各地での見聞やサアディー自身の経験が随所に書かれている。 ダマスカスでは十字軍と思われるフランク人に捕まってトリポリで強制労働をさせられた体験なども記している。アレッポの有力者だった知人に救われ、彼の娘と結婚したが、妻になったその女性が喧嘩早く口が悪いためにサアディーは難渋した。旅の苦難はたびたび書かれており、盗賊にあった時は所持品を全て奪われている。メッカの荒野では睡眠不足のあまり置き去りにしてくれと同行者に頼んだこともあった。サアディーはこうした苦難から教訓を得て語っている。水売りや通訳、裁判の同席など仕事や頼まれごとの体験も多数にのぼる。旅が長年におよぶにつれて名を知られるようになったことが、彼自身の体験談からも分かる。
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