新聞電報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:03 UTC 版)
新聞紙に掲載する目的で、認可を受けた新聞社または新聞通信社あてに発信される。新聞事業が公共性を帯び、新聞社経営には通信機関を十分に利用しなければその機能を発揮しがたいために、一般の電報よりも料金は低い。1904年7月、外国新聞電報の制度が設けられ、1907年1月、内国新聞電報の取扱が開始された。内国新聞電報は帝国内相互に、外国新聞電報は帝国と中華民国、アメリカ合衆国、およびその他の諸国相互に発着信する。満州国の内、関東州および満鉄沿線と内地間は内国新聞電報に準じて取り扱われる。 内国新聞電報の取扱を受けるには、新聞社または通信社の持主の名義で、新聞紙題号、掲載事項の種類、発行の定日、発行所および受信人等が記載された申請書に、新聞紙見本1部を添えて、所轄逓信局に差出し認可を受ける。申請は通常2週間程度で認可されるが、認可されれば発信証票の交付を受け、新聞電報差出のつどこれを提示する。その料金は次の通り。 内地各地内 - 50字以内25銭、50字以内を増すごとに20銭 朝鮮、満州、芝罘相互間 - 50字以内25銭、50字以内を増すごとに20銭 内地小笠原島間 - 50字以内35銭、50字以内を増すごとに30銭 内地または小笠原島と台湾、樺太、朝鮮および南洋ヤップ島間 - 50字以内35銭、50字以内を増すごとに30銭 内地、台湾、樺太と満州、芝罘相互間 - 50字以内35銭、50字以内を増すごとに30銭 同文新聞電報料は、それぞれの料金のほぼ半額で、至急新聞電報料は3倍である。このほか1年を通じて毎日発信する電報で、発着局、発受信人および発信時刻の一定したものは、所轄逓信局長の認可を受けて予約新聞電報とすることができる。予約新聞電報は発信人の希望した時刻に送られ、かつ料金も低廉である。新聞電報後納取扱の認可を受ければ料金を1ヶ月分ずつまとめて後払とすることができる。 外国新聞電報の認可申請書は逓信省電務局に提出して認可を受ける。料金は宛地によって異なり、おおむね一般電報料金を4分の1程度である。たとえば、以下のとおりである。 上海 - 新聞電報料金8銭、一般電報料金30銭 ニューヨーク - 新聞電報料金45銭、一般電報料金1円68銭 ロンドン - 新聞電報料金34銭、一般電報料金1円38銭 外国新聞電報には予約取扱制度はないが、一定の保証金を納めて料金を受信人払とすることができる。その電報を通常は、R.T.P.と称し、外国新聞電報の9割を占める。
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