新因明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/14 15:01 UTC 版)
論争の勝利・敗北の分析から次第に五分作法のうちの因の妥当性に関心が集中し、仏教の論理学者である陳那(ディグナーガ)により「因の三相」として集成され、インドにおいて広く承認された。 陳那は「因の三相」の確立にあたって遍充(へんじゅう)という関係概念を導入したが、それまで各々が異なるカテゴリー論や実体論を展開していたインドの各宗派は、これによって共通の論理基盤を持つことになり、陳那によってインドの論理学は大きく進歩した。また、陳那は五分作法を整理して、主張(宗)・理由(因)・実例(喩)の三支作法で足るとした。陳那の因明の特色は、論理学である比量を集大成しただけでなく、現量と呼ばれる認識の規範に、釈迦のさとりが論理を超えたものであるとして、これを組み込んだ点にもある。 陳那以降の因明を新因明という。陳那の後継者として法称(ダルマキールティ)がいる。
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