文法誤用説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 23:14 UTC 版)
教育勅語に文法の誤用があるという説がある。すなわち、原文「一旦緩急アレバ義勇公ニ奉ジ」部分の「アレバ」は、条件節を導くための仮定条件でなくてはならず、和文の古典文法では「未然形+バ」、つまり「アラバ」が正しく、「アレバ」は誤用である、とする説である。 1910年代に中学生だった大宅壮一が国語の授業中に教育勅語の誤用説を主張したところ教師に諭された、と後に回想している。 なお、塚本邦雄も歌集『黄金律』114ページで「「アレバ」は「アラバ」の誤りなれば」として「秋風が鬱の顛頂かすめたり「一旦緩急アレバ義勇公ニ奉ジ」」の歌がある。 高島俊男は「文法のまちがいである」とした上で、「ただしこれは元田永孚の無学無知によるもの、とばかりも言い切れない。江戸時代以来、漢文先生は、国文法には一向に無頓着で、―そもそも彼らには漢文に対する敬意はあるが日本語に対する敬意はないから当然のこととして無頓着であったのだ―」と述べ、元田が前述の漢文訓読の慣行に従ったもの、とする見解を示している。
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