文学・児童文学への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 14:40 UTC 版)
「ニューソート」の記事における「文学・児童文学への影響」の解説
アン・スタイルズは、世紀末の作家とその作品にとって不可欠な文脈としてニューソートに注目し、『小公子』『小公女』『秘密の花園』のフランシス・ホジソン・バーネット、『ねじの回転』のヘンリー・ジェイムズ(ウィリアム・ジェイムズの弟)、『赤毛のアン』のルーシー・モード・モンゴメリ、『黄色い壁紙』のシャーロット・パーキンス・ギルマン(英語版)といった重要な作家・児童文学作家が、ニューソートに精通しており、作品に影響したと分析した。 ニューソートとの関連をよく取り上げられる作家は、バーネットである。彼女は『秘密の花園』(1911年)を書いている時に、マインド・キュアとポジティブ・シンキングの精神に興味を持ったことが記録に残されている。彼女はメリー・ベーカー・エディの友人で、彼女の著作を読んでいた。『小公女』で没落した主人公サラが王女のイメージをして安心感を覚える場面があるが、スタイルズは、その対処はニューソートの一般的な実践であると指摘し、「サラ・クルーは、肯定と否定、創造的視覚化、悪への無抵抗、周囲から瞑想的にひきこもる方法を用いる点で、忠実なニューソートの信奉者のようである」と評している。また、『秘密の花園』のコリンは、自己イメージを良くすることで、病気を劇的に改善させる。『赤毛のアン』や『小公子』のやる気にあふれた主人公達は、周りの現実とは関係なく頑固なまでに楽観主義を貫き、状況が好転していく。 スタイルズが取り上げた作家のうち、バーネット、ギルマン、L. M. モンゴメリの3人は、うつ病、不眠症、双極性障害に苦しみ、正当医学による治療の中で、見境のない薬の処方や過度な安静療法(英語版)を経験した。また、施設への収容や、体を害しかねないような婦人科の治療法のトラウマに苦しんだ人もいる。モンゴメリはマインド・キュアを試し、人に勧めることもあった。なお、彼らはクリスチャン・サイエンスやニューソートの信奉者であると表明しておらず、モンゴメリやギルマンにはクリスチャン・サイエンスを批判した文章もある。
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