整数の足し算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 05:13 UTC 版)
(1)計算は筆算の形で行わせる。 素過程や型分けの練習はタイルと対応させて、必ず筆算の形で縦に積み上げる方法で書かせる。例えば、200+300は、 200 + 300 {\displaystyle {\begin{array}{rr}&200\\+&300\\\hline \end{array}}} 同様に、234+352は、 234 + 352 {\displaystyle {\begin{array}{rr}&234\\+&352\\\hline \end{array}}} と書かせる。 (2)素過程による計算の原理 3位数+3位数を例に、足し算の原理を考える。図のように356+123をタイルで表す。タイルを見れば分かるように、足し算の答を求めるには、タイルの小さい方から「個数」「本数」「枚数」を足し算すれば良い。 タイルを数字に置き換えると、「一の位」「十の位」「百の位」に対応している。それぞれの位を足し算すれば答が求まる。これは小さい位から「6+3」「5+2」「3+1」という3つが組み合わさったものである。つまり「356+123」の計算は、「1けた+1けた」の計算が組み合わさったものと考えることができる。どんな大きな数の足し算でも、このような「1けた+1けた」の計算に分解される。このような基本的な足し算の操作を「素過程」と呼ぶ。素過程は足し算の基礎となるので、「基礎暗算として」徹底的にマスターさせねばならない。 足し算の素過程は0+0、0+1、から9+9、まで100通りある。これを、「一般から特殊へ」の順番にならべると、 繰り上がりの無い場合。 加数が0の場合。 被加数が0の場合。 加数と被加数の両方が0の場合。 繰り上がりがあって和が2けたの場合。 繰り上がりがあって和が10になる場合。 となり、これを順番に練習させる。練習に使用する数字は「2と9」を用いるので、「2-9分類法」と呼ぶ。 (2)複合過程の展開素過程をマスターしたら複合課程へと進む。水道方式では「一般から特殊へ」と練習問題を配列する。 22+22型 22+20型 20+22型 20+20型 22+2型(22+02)……十の位が「空位(空っぽ)」という。「無の0」がそのまま「位取りの0」となる。 2+22型(02+22)……一の位が空位(空っぽ)。 20+2型(20+02) 2+20型(02+20) 「22+22型」は全ての基本操作を含み、位も全部揃っている。この方の基本的な法則を提供しておけば、あとは「0の入ったものを特殊とみる」だけですべての型に適用できる。このような型を水道方式では「水源地」と呼ぶ。 このあとは「繰り上がりのある2位の足し算」を「一般から特殊へ」の原則に従って展開する。 29+29 29+21 29+9……十の位が0になった「退化型」 9+29……退化型 29+1……退化型 1+29……退化型 このように水道方式では 素過程を暗記するほど徹底的にマスターさせる。 水源地を学習し、それを元に特殊化した型に進む。 という指導方針で練習問題を型分けして「3けた+3けた」まで練習させる。 最初に行う「水源地」から、各パターンに分かれる様子を、水道管が分岐して各家庭に至る様に見立てたのが、「水道方式」という呼び名の由来である。
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