整数の割り算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 05:13 UTC 版)
同様に、648÷2は、600÷2、40÷2、8÷2 ではなく、6÷2、4÷2、8÷2 の素過程に分解できる。 割り算の素過程は7つある。 7÷3 6÷3 2÷3 0÷3 13÷3 27÷3 10÷3 割り算の筆算4拍子 割り算の筆算では「商を立てて」「かけて」「ひいて」「おろす」という一連の操作が必要になる。これを「割り算のアルゴリズム」または「割り算の4拍子」と呼んで練習させる。割り算の素過程は「九九を逆さまに適用する」練習をまずやらせる。これが十分にできたら「割り切れない場合(あまりのある場合)」をやる。この時も「たてる、かける、ひく、おろす」という4拍子を次々に繰り返させていく。「割り算の水源地」は「4拍子が全部揃っているもの」とする。「立てて商ができないもの」は型崩れと見なす。「ひいて余りが無くなってしまうもの」も4拍子が欠けたものなので「型崩れ」と扱う。つまり、水道方式では「余りの出る割り算」を先に教える。余りが0になるものは「特殊なもの」とみるのである。この場合も素過程を「筆算の4拍子」でマスターさせてから複合過程に進む。水道方式では商に0を立てる計算も大切な型としている。 長除法と短除法の対立 水道方式の割り算の筆算は「長除法」を用いていたが、水道方式に反対する暗記重視派は、「かける・ひく・おろす」を暗算で行う「短除法」を用いていた。1970年代の啓林館の教科書は短除法を用いていたので、水道方式とは激しく対立した。これに対し、新居信正は、523÷7、608÷2などの計算について書かれた『改訂・算数』(三年下)のページを挙げて、「そのうえ、ごていねいにも「とちゅうのあまりは、かかないでもできるようになりましょう」というのだ。おまけに、ここで重要な0÷2の説明は何もない。ただ0÷2=0とだけ書かれてある。このような筆算を短除法というのだが、これは暗算のヨコ書きをタテ書きに直しただけで、計算のやり方は暗算と何ら変わらないのである。これでは何のために計算式をタテ書きにしたのか意味がないし、商に0を立てるところで子どもたちがつまずくのはあたりまえである。なぜなら算用数字(インド・アラビア数字)における「十進位取りの原理」のすばらしさと便利さを全く無視しているからである。」と述べている。
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