整数の黄金進数表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:18 UTC 版)
通常の意味での整数を、黄金進数で表すと有限小数となる。例として、整数 5 をφ進法で表す手続きを見よう。 5 以下で最も大きなφの冪は φ3 = 1 + 2φ ≈ 4.236 である。5 との差を取ると、5 - (1 + 2φ) = 4 - 2φ ≈ 0.763 である。これ以下で最も大きなφの冪はφ-1 = -1 + 1φ ≈ 0.618 である。差を取ると、4 - 2φ - (-1 + 1φ) = 5 - 3φ ≈ 0.145 である。これ以下で最も大きなφの冪は φ-4 = 5 - 3φ ≈ 0.145 である。差を取ると 0 である。したがって、 5 = φ3 + φ-1 + φ-4 であり、φ進法で表すと 1000.1001φ である。 ここで暗に用いている事実は、φの冪は全てある整数 a, b を用いて a + b φの形で書ける、ということである。これを確かめるには、φ2 = φ + 1 と φ-1 = -1 + φ に注意すればよい。そして、このような形の数同士の大小を調べることは易しい。実際、a + bφ > c + dφ は 2(a - c) - (d - b) > (d - b) × √5 と同値であり、この大小関係は一方のみが正であれば自明であるし、そうでなければ両辺を平方することにより確かめられる。 黄金進法により有限小数となるのは、通常の意味での整数のみならず、環 Z [ ϕ ] := { a + b ϕ ∣ a , b ∈ Z } {\displaystyle \mathbb {Z} [\phi ]:=\{a+b\phi \mid a,b\in \mathbb {Z} \}} の元であり、またそれに限ることが容易に分かる。
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