教員側の不正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 22:24 UTC 版)
上記は、生徒(学生)側の学業不正だが、教員が関与する学業不正もある。 学業不正に関する教員側の不正は、筆記試験、口述試験の不適切な採点、不適切な成績評価、生徒(学生)に試験問題のヒントや答えを教えるなどがある。また、試験問題を事前に入手し、それに関する指導を試験前に行なうなどがある。これらは、賄賂、学生のえこひいき、特殊な教育方針という理由もあるが、良い成績をつけることで教員の能力が高いと評価されるために行なわれることもある。時には、利己的な欲望、性的好み、セックス享受、セクシュアル・ハラスメントのために行なわれることもある。 展覧会などで生徒(学生)が受賞するように、教員が生徒(学生)の作品の主要部分を作成する不正もある。学生が卒業できないと教員が困るので、学生の成績に下駄をはかせる不正、卒業論文の主要部分を作成する不正、大学院の修士論文、博士論文を、実質的に、教員が作成する不正もある。 米国で発生したアトランタ校区教員答案改竄事件(Atlanta Public Schools cheating scandal)は有名である。2002年から2009年の間、ジョージア州全体テスト(CRCT)を受験したアトランタ校区中学高校の生徒の成績が急激に上昇した。それで、最高責任者のベバリー・ホール(Beverly Hall、女性、ジャマイカ系米国人)は、全米で最も優れた教育指導者に選ばれるなど、たくさんの賞を受賞した。ところが、2009年、成績に不正があったことが発覚した。調査が進むと、アトランタ校区中学高校の44校の178教員・校長が生徒の答案の誤答を正答に改竄していたことが判明した。米国の歴史上最大規模の教員不正試験事件である。
※この「教員側の不正」の解説は、「学業不正」の解説の一部です。
「教員側の不正」を含む「学業不正」の記事については、「学業不正」の概要を参照ください。
- 教員側の不正のページへのリンク