政治史における安定多数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 02:04 UTC 版)
常任委員長は、各議院において各々その常任委員の中からこれを選挙するため(国会法25条)、理論的には、議院の議席の過半数を占めていれば、全ての常任委員長ポストを第一党(多数党・与党)が占めることもできる。しかし、衆議院で第一党となった政党が常任委員長を独占していたのは昭和40年代初め頃までで、その後は獲得議席数に比例して野党にも委員長ポストを配分することが慣例化している。それでも政権与党に絶対安定多数があれば、いくつかの委員会で野党に委員長を渡したとしても、全委員会における与党の絶対的優位は変わらない。したがって、安定多数、絶対安定多数の数字のもつ意味は依然として大きい。 安定多数や絶対安定多数は衆議院・参議院いずれの選挙の際にも使われる語だが、一般には全議席が改選される衆議院議員総選挙のときに用いられる。衆議院総選挙となると与野党の執行部メンバーは口々に「勝敗ライン」(獲得議席数による勝ち負け判定基準)を発表するが、迂闊に過分な議席数を目算して実際の獲得議席がそれを下回った場合には自らの責任を問われ、進退問題にもつながりかねない。そのため、「連立与党で過半数」「我が党で過半数」などと控えめな表現で見込みを示すことが多い。この「低めの目標」を示す慣習も、自民党の党内対立が激化した後に生じたものであって、自民党が常に与党(過半数の議席維持)という55年体制が確立した1960年代から70年代初め頃までは、一様に「安定多数」が目標とされていた。
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