政府委員制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/27 15:12 UTC 版)
明治時代の帝国議会開設以来、議会における議員から政府に対する質問には、国務大臣のほか、政府職員が「政府委員」(大日本帝国憲法54条)として答弁に当たった。 この政府委員制度は、日本国憲法の下における国会でも維持された。国会法第69条では、国務大臣を補佐するため、内閣が議長の承認を得て政府委員を任命することを認めており、各省庁の局長級約300名がこれに任命されていた。また、課長級の職員については「説明員」として答弁を行うことが認められていた。 国会の委員会審議においては、細目詳細にわたる具体的な問題から重要な問題まで、多くの答弁が「その件につきましては政府委員から答弁させます」という大臣の一言で政府委員によって行われた。この、大臣に代わって政府委員が答弁することこそ、大臣が政策を勉強しない理由の一つともされた。 このように、政府委員制度の存在自体が、官僚主導政治と国会における審議低調の一因と目されるようになった。 そこで、1999年(平成11年)に成立した国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(平成11年法律第116号)により、2001年から政府委員制度が廃止されるとともに、副大臣・大臣政務官制度が新設されることとなった。これは当時の政治行政改革気運の高まりを受けた制度改正であり、国会における審議の活性化と、政治主導の政策決定システムの確立が期待された。
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