改良型 ルノーB1bis
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 06:09 UTC 版)
「ルノーB1」の記事における「改良型 ルノーB1bis」の解説
B1bisは前述のB1戦車(1930年より新たに“B2”と呼ばれる新型重戦車の開発が始まったため、B重戦車は“B1”と呼ばれることとなった。因みに“B2”重戦車は後にキャンセルされている。)の改良型として1930年に開発が始まった。“bis”とは「第二の」という意味であり、“B1bis”は日本語でいう「B1戦車2型」や「B1戦車改」というような意味合いになる。ただし、日本でも原語の“B1bis”でそのまま通用しており、「B1戦車2型」等と表記される例は少ない。 基本的にB1重戦車と同じであったが、以下の点が異なる。 エンジンは出力180hpのルノー S6 液冷ガソリンエンジンから航空機用の直列ガソリンエンジンを車両用に改修した出力250hpのルノー Naeder-FIEUXに変更され(後期生産車では更に300hpのルノー BDRに変更された)、機動性能がアップした。さらに予備燃料タンクを搭載し、航続距離を増やした。 砲塔は従来の“APX-I”型をB2重戦車に搭載する予定だった新型砲塔、“APX-IV”と同様の装備に改変し、武装も新型の32口径47mm戦車砲SA35に換装されている。 装甲厚は車体前面および側面で60mmあった。これはフランス侵攻時のドイツ軍戦車の主力搭載砲だった46.5口径37mm戦車砲KwK35/36や主力対戦車砲であったPak35/36(37mm対戦車砲)では到底貫通できないものだった。 B1bisはB1型重戦車の主力生産型となり、フランス侵攻の頃で243輌(フランス全軍で3,132輌だから、全体の7.76%)が配備されていた。生産にはルノー社をはじめとする6社が関わった。 フランス侵攻ではその装甲防御力を生かし、いくつかの反撃戦闘ではドイツ軍を恐慌状態に陥らせている。ただし、後述のような指揮運用上の欠点と、フランス軍首脳部自体に戦車の集中・機甲運用の考えが無かったこともあり、本車も各地にばらばらに分散配置され、各個に撃破されていった。
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