探知技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:51 UTC 版)
その後技術革新が次々と行われ、ほとんどの中小金属探知機メーカーが淘汰されていった。 Goldak,Metrotech,Igwt,Tec, そして最近では Arado などが趣味用(個人の宝探し用)金属探知機の製造から手を引いた。 近年の金属探知機における最も大きな改良点は、誘導平衡 (Induction Balance) システムの開発であり、これは二つのコイルを装備させることで磁界の向きを向かい合わせてゼロ磁場を作り出す。金属物体をコイルに近づけるとゼロ磁場が崩れて、スピーカーから音がでる。金属に交流電流による刺激を与えるとそれぞれ特有の反応を呈することは昔から科学者の知るところであった。それぞれの金属物質は駆動電流に反応して、誘導電流に特有の位相角を呈する。これによって探知する必要のない金属の位相角を除去することで、特定の金属だけを探知できるようになった。 このように技術の発達とともに発達した金属探知機であるが、一方で探知範囲が旧式のものと比べて狭くなるという弊害も発生した。さらに、探知対象となる金属の周辺にはかなりの確率で、鉄などの対象でない物質も存在している。金が、とりわけ純粋でなく合金状態で存在している際、アルミ箔のそれと極めてよく似ている位相角を呈するため、この区別をするための機器の設定は容易ではない。がしかし、貴重な発見や砂浜に埋まって見失ったダイヤモンド指輪を鉄分を含んだ石ころやアルミホイルであると勘違いして素通りしないためにも、十分に探知機のセットアップを行う必要があった。
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