振り逃げ3ラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:56 UTC 版)
「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の記事における「振り逃げ3ラン」の解説
2007年(第89回大会)7月28日、神奈川県横浜市中区の横浜スタジアムで行われた神奈川大会準決勝の東海大相模対横浜の一戦で、4回に東海大相模の打者菅野智之(現巨人)の打席で起きた。この回3点を先制し、二死一・三塁の場面で、ボールカウント2ボール2ストライクからの投球はワンバウンドになったが、菅野はハーフスイングした。球審は一塁塁審にスイングの有無を確認し、一塁塁審はこれをスイングと判定したため、球審も右拳を挙げてスイングを認め、「ストライク・スリー」を宣告した。この球審のジェスチャーを「三振でバッターアウト・スリーアウトチェンジ」と勘違いしてしまった横浜高校のナインは全員ベンチ前に引き揚げた。 しかし第3ストライクが宣告されても、投球はワンバウンド捕球であり、二死であるため、打者菅野は直ちにアウトにはならない。菅野をアウトにするためには横浜の捕手が菅野に触球するか、一塁に送球する必要があった。一方の菅野は、後ずさりする形でバッターボックスを少し出かかっていたが、まだダートサークルを踏み越えてはいなかった。したがって菅野は「振り逃げ」する事が可能な状態である。 東海大相模側ベンチから「走れ」の指示を受け、振り逃げ出来る事に気付いた打者走者の菅野は、塁上の走者2人と共に無人のダイヤモンドを回って3点を追加した。横浜の渡辺元智監督が審判団に抗議(本来の高校野球の抗議権は当事者と主将のみに限り監督は抗議できない)したものの認められなかった。結果的に横浜はこの「振り逃げ3ラン」の3失点が響いた格好となり、スコアは6-4の2点差で東海大相模が勝利した。
※この「振り逃げ3ラン」の解説は、「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の解説の一部です。
「振り逃げ3ラン」を含む「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の記事については、「全国高等学校野球選手権大会に関するエピソード」の概要を参照ください。
- 振り逃げ3ランのページへのリンク