指比の発生要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 04:30 UTC 版)
なぜ指比が出生前ホルモンレベルに影響されるかは明らかでない。他の同様の形質の証拠として耳音響放射や腕と胴体の長さの比などがあり、同様の効果を示す。指と陰茎の発達の両方に影響するホメオティック遺伝子は、これら複数の形質に影響を及ぼしている可能性が示唆されてきた(多相遺伝)。骨成長における性ホルモンの直接的影響が、指の発達におけるホメオティック遺伝子の調節によって、またはそのような遺伝子とは独立して、影響している可能性もある。また、右手は左手よりも性差が大きいことが示されているが、右手の指比が左手のそれよりも敏感である理由は不明である。ただし、骨の長さの比の性的二形には左右差が見られず、関節のしわの位置の違いが手のひらの指比の性差に影響するため、関節のしわの位置の違いがこの左右差を明らかにするかもしれない。 2011年のマウスでの研究から、2D:4D比が性ホルモンに相関するのは、アンドロゲンとエストロゲンの受容体の活動が人差し指よりも薬指で活発なためであることが示唆されている。アンドロゲン受容体の不活化は薬指の成長を鈍らせる、すなわち2D:4D比を高め、一方で、エストロゲン受容体の不活化は薬指の成長を促進し、2D:4D比を高めることにつながる。
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