たい‐とう【台頭/×擡頭】
擡頭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 21:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動擡頭(たいとう)とは、敬意を表すべき語の直前で改行し、その語をほかの行の先頭より1文字から数文字高いところから書き始めることをいう[1]。上げ書きともいう[2]。漢字文化圏の慣習であった。
概要
中国の古典籍では対象への敬意を表す場合、直前を空ける闕字、直前で改行する平出、直前で改行して文字を嵩上げする擡頭(たいとう)の三種がある[3]。
敬意表現の程度としては闕字や平出よりも高い[3]。擡頭は尊敬の度合いにより、1文字から3文字程度の嵩上げをするが、書き手との相対的な関係で定まるもので絶対的な基準があるわけではない[3]。闕字や平出は唐令に規定された敬意表現であるのに対し、擡頭は元朝以降に敬意表現として明確になった[3]。
日本では公式令に規定がないなど同令に規定がある平出・闕字と比較して用例は少ない。むしろ、用例として多いのは江戸幕府の文書における例であり、例えば「東照大権現」(もしくは単に「大権現」)・「故相国」(太政大臣に任じられていた今は亡き将軍)などが挙げられる。
出典
- ^ “擡頭”. コトバンク. 2020年7月3日閲覧。
- ^ “上げ書き”. コトバンク. 2020年7月3日閲覧。
- ^ a b c d 小島浩之「漢籍整理備忘録 -中国の古典籍・古文書の理解のために-」『大学図書館研究』第106巻、国公私立大学図書館協力委員会、2017年、 1-11頁、 doi:10.20722/jcul.1493、 ISSN 0386-0507、 NAID 130006088792、2021年12月9日閲覧。
参考文献
- 瀬野精一郎「擡頭」(『国史大辞典 8』(吉川弘文館、1987年) ISBN 978-4-642-00508-1)
- 笠谷和比古「擡頭」(『日本史大事典 4』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13104-8)
擡頭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 22:51 UTC 版)
闕字・平出よりもさらに敬意を高めた表現。神仏・天皇などの語彙が文中に現れた場合、文を途中で改行するだけでなく、その語を他の行よりも上の位置から書き出すことを擡頭(たいとう)と呼ぶ。1字分上に書くことを一字擡頭、2字分上に書くことを二字擡頭といい、上に書くほどより敬意を表した(最大で五字擡頭まで)。
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