成分および製法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 00:41 UTC 版)
松根油の成分は主にα-およびβ-ピネンなどのテルペノイドだが、戦時中に松根油を担当した研究者による再現実験では、モノテルペンとジテルペンをほぼ等量含み少量のセスキテルペンその他を含む混合物が得られている。当時の製法では、発掘した伐根を小割にして乾溜缶に入れ、最終的に300度程度にまで加熱して得られた揮発成分を冷却液化していた。この段階で得られたものを松根原油あるいは松根粗油と呼ぶ。大量の木酢液やタールが同時に発生するが、比重差を用いて分離が可能である。松根粗油を蒸留精製して松根油を得た。 松根油の製造には老齢樹を伐採して10年程度経った古い伐根が適しており、収率は20% - 30%にも達する。新鮮な伐根では松根油の収率は10%程度である。樹脂を多く含むマツの伐根は「あかし(松明)」「ひで(肥松:こえまつとも読みこれは樹脂分の多いクロマツ材をいうこともある)」などと呼ばれ、それ自体が照明用燃料として長い歴史を持つ。戦時中の宣伝によると「200本の松で航空機が1時間飛ぶことができる」とされていたが、これは数十年かけて育ったマツ1本を消費してもわずか18秒分にしかならないということであり、バイオマスエネルギー資源としては効率および再生産性に欠ける。 この他にテルペノイドを主成分とするバイオマス資源としては、柑橘類の皮がある。
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