成人以降の社会的・感情的発達段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/22 06:12 UTC 版)
「構成主義的発達論のフレームワーク」の記事における「成人以降の社会的・感情的発達段階」の解説
発達心理学者のロバート・キーガン(1982)によると、私たちの自己認識は、生涯を通じて進化していく。そのような進化は、主に「自律」と「所属」という二つの動機を基にしている。人間は、それらの動機によって定義づけられており、支配されているのである。また、これらの動機は生涯を通じて、自己との関係性が変化していく(Laske 2006: 31)。 キーガンは、5つの主要な発達段階を提唱し、発達段階2以降は成人になってから到達する意識段階である。また、多くの成人にとって、発達段階4に到達することは稀である。 発達段階2: 自己認識は、欲求と願望によって支配を受けている。他者の欲求や願望は、それが自分にとってどれだけ役に立つのか、という観点から捉えられる。結果として、他者は「別の世界に住む住人」と見なされる。 発達段階3: 自己認識は、実際の他者、あるいは、想像上の他者の期待によって定義づけられている。 発達段階4: 自己認識は、自分で構築した独自の価値観によって定義づけられている。 発達段階5: 自己認識は、自分を構築する一切のものに囚われていない。そして、人生の流れに対して、自由に身を委ねることができる。 構成主義的発達論のフレームワークにおける、「社会的・感情的発達測定」は、社会生活において、私たちがどのように意味構築活動をおこなうのか、ということに焦点を当てる。また、実際の分析において、一つの発達段階を特定するというよりも、むしろ、意識の重心構造を中心に、それよりも一つ下、あるいは、上の発達段階も含めた「発達範囲」を決定する。
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