情勢への適応 (Orient)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 08:09 UTC 版)
「OODAループ」の記事における「情勢への適応 (Orient)」の解説
「情勢への適応」あるいは状況判断と訳される。「観察」段階で収集した「生のデータ」をもとに情勢を認識し、「価値判断を含んだインフォメーション」として生成する段階である。 ボイドは、この段階をビッグ Oと称して、特に重視していた。意思決定者は、下記の5つの要素から構成される「判断のための装置」により、「データ」から「インフォメーション」へと加工していく。 文化的伝統(Cultural Traditions) 分析・総合(Analysis & Synthesis) 従来の経験(Previous Experiences) 新しい情報(New Information) 世襲資産(Genetic Heritage) 「世襲資産」、「文化的伝統」、そして「従来の経験」がなければ、従来経験した環境と変化によって形成された精神物理学的能力についての含蓄的レパートリーを持ちえない。また各分野の領域の、あるいは各種の競合及び独立的なチャンネルにまたがって取得する情報の「分析および総合」がなければ、よく精通していない現象または見たこともない変化に対処するための新しいレパートリーを展開することはできない。そして多くの異なった領域およびチャンネルにまたがる取得情報についての推定、感情移入、相関および拒否という多側面の含蓄的な相互参照のプロセスがなければ、「分析・総合」はなしえない。 各人の「判断のための装置」は当然のごとく各人ごとに異なっており、いかなる環境においても適切に動作する保証はない。また、組織のレベルに拡大して、複数の意思決定者が存在する場合、これらの間に齟齬が発生することも珍しくない。このようにして、OODAループがこの段階で止まってしまい、次の「D」に入れない恐れも多分にある。そのような場合をOO-OO-OOスタックと称する。
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