情勢の推移に伴ふ帝国国策要綱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:58 UTC 版)
「日米交渉」の記事における「情勢の推移に伴ふ帝国国策要綱」の解説
「南進論」および「尾崎秀実#諜報活動」も参照 仏印南部に兵力を進駐させる案は5月ごろから検討されていたが、仏印の冷淡な対日態度、蘭印との経済交渉の行き詰まり、独ソ開戦必至の報(6月6日大島電)などの要素から陸海軍で南部仏印進駐論が台頭する。仏印の掌握および蘭印に圧力をかけて石油等の資源を手に入れることがその狙いであった。また、南部仏印は蘭印、英領マレー・シンガポール攻略に不可欠な要衝という軍事的理由も大きかった。 松岡外相は南進すれば英米を刺激するとして執拗に反対を続けていたが、6月25日、松岡の反対を抑える形で南部仏印進駐を定めた「南方施策促進に関する件」が決定された。さらに7月2日には、独ソ戦についても「密かに対ソ武力的準備を整え自主的に対処す」と定めた「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱」が御前会議で決定された。 なお、「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱」には、「南方施策促進に関する件」の「目的達成の為、対英米戦を辞せず」との文言があるが、これは対英米戦の決心がない限り、仏印進駐のための交渉には応じられないとする松岡を納得させるための作文に過ぎなかった。
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