性質および事実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/02/10 04:02 UTC 版)
射有限群の(任意濃度の)直積群はふたたび射有限である。また、射有限群とその間の連続群準同型からなる逆系の逆極限は射有限となり、逆極限函手は射有限群の圏の完全函手である。さらに言えば、射有限であることは拡張性質 (extension property) である。 射有限群の任意の閉部分群はそれ自身が射有限であり、その射有限群としての位相は相対位相に一致する。また、N が射有限群 G の正規閉部分群ならば、剰余群 G/N は射有限であり、その射有限群としての位相は商位相に一致する。 任意の射有限群 G はコンパクトであるから、G 上に標準的なハール測度が一意に存在して、G の部分集合の「大きさ」を測ったりある種の確率を計算したり、G 上の有界函数の積分値や畳み込み積を考えたりすることができる。 射有限群の部分群が開となるのは、それが指数有限なる閉部分群であるときであり、かつそのときに限る。 ニコライ・ニコロフとダン・ジーゲルの定理に従えば、任意の位相的に有限生成な(つまり稠密な有限生成部分群を持つ)射有限群において、指数有限なる部分群は開である。これは、先に得られていたジャン=ピエール・セールによる射 p-群に対する類似の結果を一般化するものになっている。証明には有限単純群の分類が用いられた。 上述のニコロフ-ジーゲルの結果の簡単な系として、射有限群 G と H の間の「任意の」(抽象群としての代数的な)全射準同型 φ: G → H は G が位相的に有限生成である限り連続であることがわかる。実際、H の任意の開部分群は指数有限であるから、その G における原像も指数有限であり、したがってそれは開でなければならない。 G と H はともに位相的に有限生成な射有限群で、抽象群として互いに同型であると仮定し、その同型射を ι: G → H とする。このとき ι は全単射かつ上述の結果から連続であり、さらに ι−1 も連続となるので、ι は同相写像である。ゆえに、位相的有限生成な射有限群の位相はその「代数的」構造によって一意的に決定される。
※この「性質および事実」の解説は、「射有限群」の解説の一部です。
「性質および事実」を含む「射有限群」の記事については、「射有限群」の概要を参照ください。
- 性質および事実のページへのリンク