心の理論の神経基盤とは? わかりやすく解説

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心の理論の神経基盤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/18 14:35 UTC 版)

心の理論」の記事における「心の理論の神経基盤」の解説

実証的な研究では、サルによる神経細胞活動の記録実験や、ヒト及びサル脳機能イメージングによって、心の理論関係する中枢領域判明してきた。 サイモン・バロン=コーエンは、他者の心を読むための機構として、意図検出器Intentionality Detector:ID)、視線検出器(Eye-Direction Detector: EDD)、注意共有機構(Shared-Attention Mechanism: SAM)、心の理論機構Theory-of-Mind Mechanism: ToMM)という4つ構成要素提案している。 また、心の理論進化の過程でヒトにおいて突然発生したものではなく、他の生物でもその原型となる能力があるのではないか考えられている。それらの能力としてC.D.フリスらは、 生物非生物区別する能力 他者視線を追うことによって注意共有する能力 ゴール志向性行動再現する能力 自己他者行動区別する能力4つ挙げている。 また彼らは、心の理論は脳の特定の局所部位働きのみで成り立っているのではなく広範なネットワーク成り立っているのだろうとしながらも、特に心の理論支え基盤となっている可能性のある部位として、上側頭溝(STS)、下外側前頭前野および前部帯状回/内側前頭前野挙げている(右図)。 STSでは、非生物動きには反応しないのに顔や手の動きbiological motionに対して反応する神経細胞見出されている。また、STSには特定の方向への視線反応する細胞や、他者発した音や視覚には反応するが、自分発した場合には反応しない細胞見出されている。 サル腹側運動前野(F5)において、自己ゴール志向性運動行ったときにも、他者同様の運動をしているのを見たときにも活動する神経細胞がある。これらはまるで鏡のように活動することから「ミラーニューロン」と名付けられている。この働きにより、他者行動心の中リハーサルすることで追体験できると考えられている。ただし、サルにおいて心の理論相当する能力があるのか問題であり、ミラーニューロン機能併せて議論対象となっている。ヒトでは、この領域相当するのは下外側前頭前野つまりブローカ野一部44野)に相当すると言われている。 前部帯状回/内側前頭前野は、自らの感情自覚する課題施行中に血流増加するという報告があり、情動の主座である辺縁系前頭前野連絡する働きがあると推測されている。

※この「心の理論の神経基盤」の解説は、「心の理論」の解説の一部です。
「心の理論の神経基盤」を含む「心の理論」の記事については、「心の理論」の概要を参照ください。

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