往復速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/15 00:35 UTC 版)
光の往復速度とは、ある点(光源)から鏡まで行って帰ってきた光の、平均速度である。光は同一地点から発し、また達するため、合計時間の測定には一つの時計しか必要としない。それゆえ、この速度は、いかなる時計の同期方法からも独立に、実験的に測定することができる。直線を往復する場合だけでなく、光が閉路(closed path)をつくるいかなる測定も、往復速度の測定をしていることになる。 マイケルソン・モーリーの実験やKennedy–Thorndikeの実験といった多くの特殊相対性理論の検証実験は、ある慣性系における光の往復速度は、等方的であり、閉路の取り方と独立である、ということを極めて高い精度で示してきた。マイケルソン・モーリー型の等方性に関する実験は、マイケルソン干渉計の全て腕が特定の周期を持っており、全体で相対的な方角の依存性を検証することができる光時計とみなせることから、「時計同期実験」とも呼ばれることがある。 1983年以来、光が真空中で1秒あたりに進む距離の1⁄299,792,458として1メートルが定義されてきた。これはつまり、光速はもはや国際単位系では実験的に測定できず、メートルの長さを他の長さの基準に対して比較することが必要であることを意味する。
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