彗星を駆るもの (The Comet Drivers)
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「太陽強奪」の記事における「彗星を駆るもの (The Comet Drivers)」の解説
初出は「ウィアード・テイルズ」誌 1930年2月号 銀河系の外縁に、星間パトロールの艦艇が1000隻も集合していた。これは外宇宙空間に巨大な彗星が発見され、それが銀河系に向かってきているからである。彗星が銀河系の内部に飛び込んでくれば、そのコマが持つ電気エネルギーによって、天体たちを破壊するだろう。これらの艦艇の任務は彗星の核を発見し、それに力線を放射してコースを変えて彗星を銀河系の外へ送り出すことであった。彗星に向かった艦隊は、9日間の超光速航行ののちにその姿を肉眼で捉えていた。核への進入口を探すうちに、彗星の前方を航行する立方船の群れを発見した。それらは100隻あまりもあり、一辺の大きさが数千フィートもある巨大なものだった。立方船の群れは銀河艦隊に向かってきて、両者のあいだで戦闘が交わされた。やがて数に劣る立方船は逃げ出した。それらは彗星の尾が噴き出す方向に向かい、Uターンして尾の中に入ると、尾の中を遡って核に近づいていく。それを追撃する銀河艦隊は、コマのあいだの狭い通路を通過するときに、かなりの艦を相互の衝突で失った。やがて広い空間に飛び出した。彗星の中心には、円盤状の巨大天体があり、その周りを1ダース以上の小型の天体が公転していた。その天体からは新たな立方船の群れが上昇してきた。その数は数万隻はあり、銀河艦隊に襲い掛かってきた。仲間の艦の中には、巨大天体に不時着するものもある。圧倒的な戦力の差もあって、銀河艦隊はわずか6隻を残すだけになった。脱出しようとしたが、コマの出口は立方船で塞がれていた。やむなく生き残った艦艇は、小天体のひとつにある山岳地帯の巨大な割れ目に隠れた。彼らを探していた立方船の一団が、近くに着陸した。立方船船から現れたのは、液体生物だった。それらは一か所に集まると、一つに混じり合った。彗星人はこうして会話していたのである。やがて回りが暗くなり、遠くから銅鑼をならす音が聞こえてきた。彗星人は人工的に昼夜を作り出していた。この機会に乗じて、一行は不時着した仲間を探すため、巨大天体に向けて出発した。
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