強調とイントネーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 15:20 UTC 版)
ゴート語のアクセントは、グリムの法則とヴェルナーの法則を用いて、音声比較学的に再建することができる。ゴート語は、インド・ヨーロッパ祖語と違い、高低アクセントよりむしろ強勢アクセントを用いた。たとえばある音節が弱いアクセントの時は、長母音[eː]・[oː]が短くなる、[a]・[i]が消失する、といった特徴がある。 他のゲルマン語派言語のように、インド・ヨーロッパ語族の自由に動くアクセントは、単純な語彙では第1音節に固定された(たとえば、現代英語では、第一音節にアクセントを持っていないほとんど全ての単語は、他言語からの借用語である)。単語が語形変化しても、アクセントは移動しない。大部分の複合語での強勢の位置は、2番目の語に依存する。 2語目が名詞である複合語では、アクセントは最初の語の最初の音節に置かれる。 2語目が動詞である複合語では、アクセントは単語の構成要素の最初の音節に置かれる。前部を分離できる要素を持つ動詞がある場合には強勢ではなくなるが、分離できる単語がコンテクストにある場合を除く(二つ以上に分離でき、かつ、分離した後もそれぞれの語が意味を持つような場合、たとえばドイツ語やオランダ語の分離動詞。これらの場合は、接頭辞に強勢が付けられる。 例(現代ドイツ語と比較できる単語による) 非複合語:marka ['marka](英:border, borderlands「国境、国境地帯」 (英語のmarchはスペイン語のMarchesが語源)、aftra ['aftra](英:after)bidjan ['bidjan](英:pray 独:beten 瑞:bedja「祈る」) 複合語:第2要素が名詞の場合:guda-láus ['guðalaus](英:godless「神を信じない」) 第2要素が動詞の場合:ga-láubjan [ga'lauβjan](英:believe「(神を)信じる」(独:glaubenは古高地ドイツ語のg(i)loubenの、iにアクセントのない単語が語源)
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