強誘電体膜の材料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 03:10 UTC 版)
FeRAMに用いられる強誘電体膜の材料には以下のような性質が要求される。 大きい残留分極 小さなキャパシター面積で大きな分極反転電流を実現してメモリセルアレイ部分の回路レイアウトにおいて高密度化を実現できる 低い比誘電率 分極反転しない場合の変位電流を低減して読み出しエラーを避けられる 低い抗電界 低電圧駆動に拠る省電力化 小さいリーク電流 電源を切っても室温で10年間以上に亘る残留分極(データ)保持(リテンション)特性 小さい分極反転疲労(ファティーグ)特性 10年程度の動作保証性を実現するための目安として1012回(理想的には1015回)以上の分極反転に耐えられる 小さいインプリント(刷り込み)特性 書き込みエラーを減らせる なお、インプリントや分極反転疲労及びリーク電流は強誘電体膜内部の結晶粒界や結晶欠陥に起因する。 上記の条件を満たす材料として、下記の様な、従来の半導体製造プロセスでは使用されていないセラミック材料が存在する。これらの多くの強誘電体材料では、分極が容易な軸の方向に沿った異なる2つの分極状態を利用してデータの書き込みや読み出しを行っている。言い換えれば、強誘電体結晶の多くは、結晶の対称性によってその分極状態の数は限られている。
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