廻しをめぐる戦術と勝負規定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:03 UTC 版)
廻しは、相撲の取組中において、力士が握りこんで力を出すために使われる。主として相手力士のそれを摑んで引き寄せつつ、押し込む。あるいは廻しを片手に摑んで投げる。 廻しは基本的に固く締めるが、わざと緩めに締めたり、柔軟な体質のためにすぐ緩んだりして、廻しを取った相手の力を十分に出させない戦術を使う者もいる(例:照國、大麒麟、若嶋津、旭富士、武双山、など)。「緩い褌」の意をもって「ゆるふん」と呼ばれ、ときに非難の対象となる。「ゆるふん」の対義語として顕著に固く締め込む「かたふん」という概念もあり、2代目若乃花、千代の富士、貴闘力、琴奨菊などがその代表である。多くの場合小兵が廻しを切りやすくするための努力として行う。 相手の前袋を摑んで引いたり、横から指を突っ込むことは禁じ手とされている。後立褌の場合は、行司(審判)が注意して組み手を変えさせられる。 大相撲の規則の勝負規定では、廻しが緩むことで前袋(まえぶくろ。股間前面を覆う部分)に納まっているべき局部(性器)が露出した場合、反則負けになる。これを「不浄負け」という。ただし、前袋を形作っていた部分が解けてしまった場合、布の端に当たるこの部分は1本の帯の状態に戻って垂れ下がるが、この布そのものの垂れ下がりが土俵に達しても、それ自体は反則には当たらない。2017年(平成29年)3月26日には、春場所の千秋楽における三段目の取組で、西山(尾上部屋)の前袋が緩んでそのような状況になった。この時は審判員の判断で反則負けにされてしまったが、後日、誤審と判明し、同取組の審判員5名が二所ノ関審判長より厳重注意処分を受けた。
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