延伸区間の工事着工問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 07:29 UTC 版)
「Osaka Metro今里筋線」の記事における「延伸区間の工事着工問題」の解説
2006年に開業した井高野駅から今里駅までの区間で事業費が2,718億円かかっており、今里駅から湯里六丁目駅までの延伸を行うと、さらに調査費用や工事建設など1320億円程度の費用がかかってしまうことから、大阪市の財政負担をさらに増やすことになるため、大阪市長(当時)の關淳一は2005年11月に実施された市長選挙での公約でこの延伸区間の工事着工を見直すことを掲げていた。 同年11月28日、再選された關は今里駅から湯里六丁目駅(東住吉区)の延伸区間について、大阪市の財政面の問題から当初予定していた2006年度中の着工・2016年度の開業の予定を凍結することを決め、少なくとも1年間以上かけて延伸を実施するか否かを判断するとした。これに伴い、この区間の鉄道事業許可申請も当面延期する。2006年に開業した北半分が採算ベースに乗るような利用状況になれば、南半分の延伸の実施も現実味を帯びて来る可能性があるが、同じく平成になって開業した新路線で、市内中心部を通る長堀鶴見緑地線が全通して10年近く経つ2007年時点でも、厳しい利用状況(2005年度一日平均輸送人員:約88,000人)となっているため、市内中心部を通らない今里筋線の採算性はきわめて低いとされている。さらに、大阪市はそれまでの交通局を公設民営化する方針から急遽転換して『株式上場も視野に入れた完全民営化』する方針を打ち出したため、これが実現した際には、延伸はほぼ実現不可能となる公算がきわめて大きくなった。ところが2007年11月に市長に就任した平松邦夫がこれを見直し、当面現行の地方公営企業のままとした。しかし、2011年に平松に代わって大阪市長に就任した橋下徹の下で大阪市の交通事業を民営化する方針が2012年の大阪府市統合本部会議で示され、2018年4月に大阪市交通局の地下鉄事業を継承した大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) が発足し、民営化された。
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