廃鶏処理場での長時間放置の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 23:40 UTC 版)
「養鶏」の記事における「廃鶏処理場での長時間放置の問題」の解説
採卵鶏の大規模廃鶏処理施設は2016年で全国に32施設ある。地域の遍在、農場の大規模化などから、廃鶏の搬入から処理終了までの保管期間が長時間化している。 処理施設は鶏のケージを積み重ねており、上段の鶏の糞尿や割れた卵は下段の鶏へ落下し、地面に蛆が発生する事例や、一つのケージ内で複数羽が骨折、圧迫死、野生動物に襲われる事例も確認される。保管日数が延びても飲水や給餌は不可能、で動物福祉の観点で難がある。 厚生労働省が32施設中28施設を調査すると、搬入から処理終了までに約半数が12時間を超えて24 - 72時間など想定外に長時間の施設も存在し、輸送時間も含めると最大4日間の事例も見られた。 改善に農家の出荷調整の協力も必要不可欠で、厚生労働省、農林水産省はそれぞれが過去に3回通知を発信したが、2020年時点でも長時間放置が確認される。 卵価下落時に需給調整で発動される「成鶏更新・空舎延長事業」は、事業発動期間中に鶏を出荷すると採卵養鶏場は奨励金を得られることから出荷が集中し、永続的に再発しない解決策も求められる。
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