底生生物と有害物質の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/28 17:38 UTC 版)
「底質の環境基準」の記事における「底生生物と有害物質の関係」の解説
平成14年に港湾底泥調査が国の機関により実施され、重金属濃度と底生生物の種類数との相関関係が公開されている。底生生物の種類が比較的豊富である限界の濃度であるERLの含有量値を下記に示す。 水銀:0.1mg/kg乾泥 カドミウム:1mg/kg乾泥 銅:34mg/kg乾泥 鉛:46.7mg/kg乾泥 ニッケル:20mg/kg乾泥 クロム:80mg/kg乾泥 亜鉛:150mg/kg乾泥 特に、カドミウム・鉛・水銀についてはERLを超過した底質には底生生物が激減することが公開されている。含有量値と溶出量値との明確な相関関係は認められないが、底生生物が水生生物と同程度の感受性を持ち、エラからの吸収による影響が主体的であれば水産用水基準(水質環境基準の近似値)が一つの目標となる。[要出典] ERL(effects range-low):悪影響があるとした報告例のうち低濃度側から10 パーセンタイル値の濃度(最小影響範囲:底生生物の種類が豊富である限界の濃度) ERM(effects range-median):悪影響があるとした報告例のうち低濃度側から10 パーセンタイル値の濃度(確実な影響範囲:底生生物がほとんどいない濃度) ERL以上ERM未満の濃度は潜在影響範囲と呼ばれている。 この手法は底質評価のガイドライン値を提供するものであり、カナダ国家底質ガイドラインおよび、フロリダ州の底質ガイドライン開発の基礎として利用されているほかロサンゼルス・ロングビーチ港で適用されている。
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