底生動物としてのウミクワガタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 23:10 UTC 版)
「ウミクワガタ」の記事における「底生動物としてのウミクワガタ」の解説
成体へ変態したウミクワガタは何も食べず、幼生期に吸った血のみを栄養源としている。雌成体は胸部いっぱいに卵を抱く。卵が孵化し、新たな幼生が抱卵嚢から出ていくと、雌成体の胸部は空となり、やがて死亡する。一方、雄成体は雌成体をガードするため、雌成体の近くにいることが多い。こうしてウミクワガタの成体は海底に隠れて一生を終える。雄成体の大顎の用途はまだはっきりと分かっていないが、少なくともヨーロッパの種類では、雌を挟み込んで捕まえることが分かっている。 ウミクワガタ類の成体が棲む場所は、カイメンの内部、泥の中、岩や死サンゴの隙間、ゴカイの棲管の中など、様々である。1個体の雄成体が複数の雌成体と交尾、ガード、つまりハーレムを形成する種類も見つかっている。 ウミクワガタ類は海洋調査船の底性動物調査で偶然見つかる例が多く、研究者のみに知られていた生き物であった。しかし、近年のスキューバダイビングの普及により、一般のダイバーでも観察が可能になった。こうした観察例が増えることで、ウミクワガタ類の新たな分布や生息場所が分かり、新種の発見にも繋がるかもしれない。
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