岩石の存在場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 02:05 UTC 版)
岩石は地球を構成する主要な物質のうちの一つである。地球表層部に存在する岩石は、鉄やニッケルなどに比べて比重が小さいために上部マントルや地殻などに偏在し、この二層を主に構成していると考えられている。岩石の中でも、より密度の高い橄欖岩や輝石岩は他の岩石より深部へと沈み込むことが多く、上部マントルはこうした岩石が主となって構成されている。これに対し、地殻はより比重の小さい岩石が主となっている。中でも海洋底は玄武岩や斑糲岩の比率が高く、大陸は岩石でも最も比重の小さい花崗岩などの比率が高い。また、マグマが形成されるのは主に上部マントルであり、地表へと上昇する過程で上部マントルにある橄欖岩などを取り込んで昇ってくることがある。こうして取り込まれて地上へと噴出した岩石は捕獲岩(ゼノリス)と呼ばれ、地底深くの状況を知る貴重な資料となっている。地殻の岩石の大部分は火成岩と変成岩からなっているが、地表部分においては8割から9割を堆積岩が占めている。これは堆積作用が地表近くで起きており、堆積岩が地表付近に浅く広く分布しているためである。 岩石を主要構成物とする惑星は地球だけではなく、水星・金星・火星といった太陽系内側の諸惑星はすべて岩石を主体とする惑星である。このため、膨大なガスを特徴とする木星型惑星と対比し、岩石主体の惑星は地球型惑星と総称される。なお、岩石は地球型惑星付近のみならず、太陽系全体にあまねく分布する。木星型惑星も中心核には多量の岩石が含まれている。月や小惑星は主に岩石からなっており、太陽系外縁天体なども氷と岩石からできていると考えられる(月の石も参照)。更に、太陽系以外の恒星系にも岩石主体と考えられる惑星が発見されている(詳細は地球型惑星 § 系外地球型惑星を参照)。
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