岩手県・北上盆地中部の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 16:22 UTC 版)
「東北地方の経済史」の記事における「岩手県・北上盆地中部の変化」の解説
秋田道の全線開通(1997年7月23日)は、日本海側の海港の拠点が酒田港(山形県酒田市)から秋田港(秋田県秋田市)に移るという結果を生み、秋田道と東北道との結節点である岩手県北上都市圏(北上盆地中部→岩手県#地域)の工業集積や流通基地の集積を加速させた(秋田県横手盆地の横手都市圏にもやや集積が見られる)。 例えば、酒田港で荷揚げしてトラックに積み替え、東北道の流通に乗せようとすると山形道を経由することになるが、このルートは途中未完成で、高速道路から下りて山岳道路の月山道路(国道112号)を走らねばならず、トラックによる流通には向かない。そのため、酒田港は秋田港に日本海側の拠点港の地位を譲る結果になった。 コンテナ取扱量(2004年。単位:TEU)仙台港 : 9万3148 (東北地方全域) 秋田港 : 2万5937 (秋田県全域、岩手県内陸部) 八戸港 : 1万8781 (青森県、東北地方の北のターミナル) 小名浜港 : 1万7027 (常磐地域、郡山経済圏の外港) 酒田港 : 6903 (山形県庄内地方) ※( )内は後背地を示す。 このような秋田港の地位向上は、岩手県・北上盆地(岩手県主要部)の外港の地位を高速道路が通じていない宮古港や釜石港からも奪った。このため、北上都市圏は、流通の面で「日本海側」の面も持つようになった。ただし、実際の流通量は東北道がメインであるため、北上盆地が仙台港や東京港・横浜港に大いに依存していることは変わらない。しかし、北上都市圏には花巻空港もあるため、郡山都市圏と同様に、北関東のような内陸工業・流通地域として地位を上げている。 東北地方全体へ供給する場合の流通拠点(括弧内は、その流通拠点の外港と空港)北上都市圏 (秋田市・秋田港、または、仙台市・仙台港)(花巻空港) 仙台都市圏 (仙台市・仙台港)(仙台空港) 郡山都市圏 (いわき市・小名浜港)(福島空港) 北上駅<135km>仙台駅<125km>郡山駅(全て新幹線駅)
※この「岩手県・北上盆地中部の変化」の解説は、「東北地方の経済史」の解説の一部です。
「岩手県・北上盆地中部の変化」を含む「東北地方の経済史」の記事については、「東北地方の経済史」の概要を参照ください。
- 岩手県北上盆地中部の変化のページへのリンク