尻尾の短い日本猫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 06:35 UTC 版)
日本猫が持ち出された例として、1910年にイギリスで撮影された日本猫の写真などが現存しており、この猫は尻尾の短い猫であった。この個体とは別に1900年、横浜からイギリスへ渡ったお雪という名前の日本猫の記録も残っている。また、1690年に日本に滞在していたドイツの博物学者エンゲルベルト・ケンペルが記した『日本誌』に記されている猫や、パトリック・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が自筆、骨董の中でふれた愛猫に関してもやはり尻尾の長さを取り上げるなど、日本猫のとりわけ尻尾の短いものが日本猫の定型として海外に発信されていた。1861年に神奈川に滞在した米国宣教師マーガレット・バラはやはりこの尻尾のない猫を奇異に感じて手紙に書いており、またこの猫がネズミをとらない怠惰な行動に驚いている。 そのため、明治時代にアメリカへ留学した日本人が現地のアメリカ人から「日本の猫には尻尾がないというが、本当か」という質問をされたという記事が1873年、5月の新聞雑誌、99号に掲載されている。こうした尻尾の短い日本猫に関する調査として、1904年日本に訪れたドイツの生物学者フランツ・ドフラインは著書『東亜紀行』の中で、長崎から東北地方まで日本を縦断調査する過程で、長尾の猫を多くみたが、中部地方では尻尾が結節状にちぢんだ猫をどこの村でも見かけることができたと記している。こうして、明治時代などから海外での関心が高かった尻尾の短い日本猫を原種として、アメリカで改良・固定されたジャパニーズボブテイルという品種が1976年認定されるにいたった。
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