小学校社会科授業での有効性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 01:00 UTC 版)
「量率グラフ」の記事における「小学校社会科授業での有効性」の解説
松崎は小学校5年生の社会科の授業で教科書に載っていた「工業地帯の生産量」のグラフが、「生産総額」と「生産品目の割合」の2つが別の図で書かれていたことを見て、「この2つのグラフを頭の中で結びつけて、日本の工業の仕組みと各々の工業地帯のようすを読んでください」と要求するのは無理だと考えた。そこでその「生産額」と「生産品目の割合」の2つのデータを、1つの量率グラフに書き直す授業を行った。量率グラフを作った子どもたちは、「(松崎が授業した1980年当時は)なるほど京浜は大きい、中京は3番目で、機械工業が盛んだ」ということを容易に読み取れた」という子どもたちの評価を得ることができた。松崎は量率グラフの方が回りくどい説明なしに、子どもたちがグラフの内容に興味を持ち、一目で正しく中身が分かると述べている。 松崎はさらに「県別の生産額と品目割合」の量率グラフや、「1935年と1980年の工業種類別の生産額」の量率グラフを書くことで日本の工業の現状や歴史的変化がよく分かることも示した。また、年代を縦軸に取った量率グラフでは、各年を等間隔に書くことと、データのない年は詰めないで空白にすることで、歴史的変化がよくイメージできることも示した。 松崎は教科書のデータの多くを量率グラフに書きなおすことで、「社会の様子を見るのに、量と率を使えば正しい判断をするのにとても役立つ」としている。 村田文江は、松崎の著書を読み、北海道の小学校5年生と自ら担当する北海道教育大学の学生で追試を試みた。量率グラフを書くこと自体については難しさを訴えた小学生もいたものの、「円グラフ、棒グラフからの読み取りよりも分かりやすい」「一目見てよく分かる」とこのグラフのよさを感じた者が多かったと報告している。
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