尊称・異称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 08:21 UTC 版)
本名である「ヴァルダマーナ」は出家以前の名で、原義は「栄える者」である。ヴァルダマーナは、原始仏典では「ニガンタ・ナータプッタ」(nigaṇṭha nātaputta, निगण्ढ नात、漢:尼乾陀若提子)というが、それはナータ族の出身者で、古くからの宗教上の一派ニガンタ派で修行したため称されたものである。彼は、従来のバラモンの教えに満足できずニガンタ派の教義からジャイナ教を確立し、以来「マハーヴィーラ」(「偉大な勇者」)の尊称で広く知られた。 ニガンタ派は、ジャイナ教の伝説によればマハーヴィーラ生誕250年前の人と伝承されるパーサ(パールシュヴァ)が開いた宗派とされる。伝説では、マハーヴィーラ以前に23人の祖師「ティッタンカラ」(ティールタンカラ)がいたとしており、パーサはその23代目、マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ)は24代目とされる。パーサはニガンタ派を率いた歴史上の人物と考えられ、その意味でマハーヴィーラは改革者であり、宣伝者でもあった。彼の改革後も「ニガンタ派」の名は用いられ、漢訳仏典においてジャイナ教徒は「尼乾子」(にげんし)と呼称される。ジャイナ教では、自分たちを過去二十四聖ことに最後の七聖の教えを受けつぐものと称し、これらの聖人を「ジナ」(勝利者、征服者、漢:耆那)と呼んだ。ジャイナ教の名はこれより起こる。 なお、彼の尊称・異称としては、以上述べたほかに「アリハンタ」(敵を倒した者)、「アルハット」(修行完成にふさわしい人)がある。
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