専門士号の意義
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専門士の称号は、文部省が1994年、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士の称号の付与に関する規程」第1条及び第2条において、専修学校の修了者に対する社会的評価の向上と生涯学習の振興を目的として定めたものである。 専門士は専修学校の卒業生に対し授与される称号である。多くの専修学校は2年制で、修学期間がほぼ同じである短期大学や高等専門学校と同等である。短期大学で授与される短期大学士の学位と高等専門学校において授与される準学士の称号は、教育課程における位置付けはほぼ変わりはない。短期大学士は諸国で通用する学位で、準学士は学士や短期大学士の学位に準じた学術称号である。専門士は専門技術に対する評価を与えるもので、準学士、高度専門士、専門士の称号は日本の法令に基づく日本国内限定で有効な称号である。 旧制の専門学校では、一部分野の卒業者に対して得業士の称号が授与されていたが、1976年に制度創設された専門学校(専修学校専門課程)には特に称号の定めがなく、修了時における称号の授与もなかった。ところが、専門学校の社会的評価の向上と、留学生からの要望が増大して創設された。 1999年4月1日に「学校教育法等の一部を改正する法律」が施行され、専門士称号を受けた者は大学3年次へ編入学が認められ、かつては短大卒・大学2年次修了などが条件とされていた国家資格の受験資格も認められた。 この称号で能力を保障されて評価を得るよりも、専門学校在学中に得た資格、能力、技術などが評価されている。短期大学の通信教育部と提携し、在学中に短期大学士と専門士の両方を修めるカリキュラムを組む専門学校も少なくない。 専門士の称号を通じて専門学校卒業者の門戸が広がり、進路に多様性と可能性を与えた。かつて専門士の英文表記は「technical associate」を用いたが、高度専門士の付与制度を始めるにあたり英文表記の変更も検討された。2006年3月22日の文部科学省生涯学習政策局の事務連絡で、専門士の英文表記が「Diploma」に変更されたことが通知された。 2005年9月9日に「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士の称号の付与に関する規程」が改正され、専門士に加えて高度専門士の称号が創設された。
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