家族法の変容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:34 UTC 版)
草案には政府内からも異論が多く、徐々に手が加えられ、特に元老院は「慣習にないこと」(三浦安)「美風を損しますること」(小畑美稲)を徹底的に削除する立場から修正した結果、原案と立法精神を大きく異にする半封建的法典が出現したと指摘されている(手塚)。 元老院で逐条審議に当たった特別委員は、渡正元・岡内重俊・楠本正隆(以上断行派)、槇村正直(法典全廃論→断行派)、村田保(原案維持派→延期派)、三浦・小畑・細川潤次郎・津田真道・尾崎三良・清岡公張・津田出・建野郷三・森山茂など(本会議は一括審議)。村田・槇村が戸主権強化を主張し、尾崎が反対した(三名とも議決権を有する法律取調委員との兼任)。 また、確定案のはずだった元老院議定案は政府によって改変され、村田・三浦らが延期派に立つ一因になったと推測される(手塚・中村)。 元老院で削除された草案の個人主義的規定が明治民法で復活を試みられたことは後述する(平野もこれを認める)。
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