家庭用簡易孔版印刷機「プリントゴッコ」
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「理想科学工業」の記事における「家庭用簡易孔版印刷機「プリントゴッコ」」の解説
「プリントゴッコ」は、1977年9月に発売された。その名前には、「すべての家庭で親子一緒に印刷ゴッコを楽しんでほしい」という創業者 羽山昇の思いが込められている。価格も「家庭で使ってもらうには1万円を切る額でなければならない」との羽山昇の考えから、発売当時は9,800円だった。 この価格を実現することができた背景には、当時としては画期的であった流通システムがあった。当時は問屋を通すのが当たり前だったが、問屋を介さずに文具店と直接契約・販売する流通経路を開拓し、代金の回収には銀行の口座振替を活用するという独自の流通システムを構築し、合理化を推し進めた。 「プリントゴッコ」は日本の文化的・国民的行事ともいえる「年賀状づくり」のツールとして人気を博し、その価格設定も相まって大ヒット商品となった。「プリントゴッコ」の販売台数・売上金額はともに毎年増加を続け、初年度には販売台数6万台だったものが翌1978年には24万台と大幅に増加し、1983年には50万台を超え、1980年代後半から1990年代前半にかけては毎年60万台以上がコンスタントに売れた。 だが販売台数は1987年に72万台を記録したのをピークに、1990年代半ばになると大きな落ち込みが続いた。その背景には、パソコンとプリンターの一般家庭への普及があった。1996年に累計生産台数が1,000万台を達成したものの、販売台数の減少に歯止めはかからず、2008年に「プリントゴッコ本体販売終了のお知らせ」のリリースを発表した。 本体販売終了後も、インクやマスターといった消耗品の販売は継続していたが、2012年12月末をもってそれらの販売も終了。「プリントゴッコ」は35年の歴史に幕を閉じた。
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