実施上の配慮点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 13:55 UTC 版)
「ブルー・ホワイトセレクション」の記事における「実施上の配慮点」の解説
正しいタイプのベクターとコンピテントセルを使用することは、ブルー・ホワイトセレクションを計画する際の重要な実施上の配慮点である。プラスミドにはlacZαが含まれている必要があり、そのようなプラスミドの例としてはpUC19およびpBluescriptがある。大腸菌細胞は、配列が削除された変異lacZ遺伝子(すなわちlacZΔM15)を含む必要があり、そのような遺伝子型を持つ一般的に使用される細胞にはJM109、DH5α、およびXL1-Blueがある。 lacオペロンはグルコースの存在によって影響を受けることも理解されるべきだ。グルコースのとりこみに関与するタンパク質EIIAGlcは、グルコースが細胞内に輸送されるとラクトース透過酵素をシャットダウンする。したがって、寒天プレートではグルコースを含まない培地を用いるべきである。 X-galは光に弱いため、X-galを含む溶液とプレートは暗所で保管する必要がある。 lacオペロンのインデューサーとして機能するイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド (IPTG)は、LacZの発現を高めるために培地で使用できる。 X-galは高価な材料であるため、細菌をスクリーニングするために他の方法が開発されている。細菌のスクリーニングを支援する代替手段として、GFPを利用する技術が開発されている。この技術のコンセプトは、インサートがベクター内のコーディング配列を破壊し、GFP産生を破壊して非蛍光細菌をもたらす、という点でα相補性と似ている。組換えベクター(ベクター+インサート)を持つ細菌は白色でGFPタンパク質を発現しないが、非組換え(ベクターのみ)はUVランプの下で蛍光を発する。 GFPは一般にレポーター遺伝子として使用されており、研究者が分析している遺伝子がクローンに含まれているかどうかを、研究者自身が明確に判断できる。コロニーが成長する培地が選別に影響を与え、偽陽性の結果をもたらす可能性がある。培地上のX-galが時折分解して青色を発したり、GFPが培地のために蛍光を失ったりすることがあり、研究者が希望する組換え体とそれを持たないコロニーを決定する能力に影響を与える可能性がある。
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