定常宇宙論
ビッグバン宇宙論を否定し多くの研究者から歓迎される
1950年代に、エドウィン・ハッブルの膨張宇宙を説明する宇宙論が2つ世に出されました。その1つはジョージ・ガモフらをはじめとする火の玉宇宙(ビッグバン宇宙)、もう1つはホイル、ナリカ、バービッジらの定常宇宙論でした。ホイルらの定常宇宙論の主張は、ビッグバン論者の宇宙の創造、進化、変化といった概念をしりぞけ、宇宙は常に不変であり、この宇宙では膨張して密度が下がった分だけ、宇宙全体から物質が湧き出してくるというものです。
オールマイティではないビッグバン宇宙論
宇宙定常理論は私たちには不思議な話に聞こえるかもしれませんが、一方のビッグバン宇宙論にも奇妙に思える面はあります。それは、宇宙の初めに無から有をつくりだしているような説明できないことが1回起こることを許すのなら、こうしたことは連続的に起こってもいいのではないか。いや、むしろそのほうが法則性があって、より自然なのではないか、ということです。1965年の宇宙背景放射(3K放射)の発見など、ビッグバン宇宙論に有利な観測が続いていますが、ホイルらは定常宇宙論を捨てずに、その正しさを主張しています。確かに、観測の精度が高くなるにつれ、現在のビッグバン宇宙では説明しにくい事象が、いくつも見つかってきてることも事実なのですが...。
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