子供と作話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/04 00:48 UTC 版)
いくつかの研究は、年配の大人のほうが若い人よりも誤った記憶を持つことが多いと述べているが、不自然な作話についての研究は、小児期についての研究が大多数である。 子供は、被暗示性が強いので、不自然な作話を特に行いやすい。 子供達は、作話した内容を思い出すように指示された場合に、それは自分が作話したものであることを、あまり憶えていない。また子供達は、作話した内容を実際に起きた本当の出来事であるとして思い出しやすい。 研究によれば、子供が過去に作話した内容と現実の出来事とをあまり区別できないのは、記憶内容をモニターする仕組みがまだ十分に発達していないからである。記憶内容をコード化したり、評価して推定する技術がまだ未熟であるので、子供達が本当の記憶と誤りの記憶を区別できる能力は高くない。また、小さい子供では、作話した内容と作話していない内容を思い出すためのメタ記憶(その記憶についての記憶。その記憶を持っているかどうかの記憶)の機能を持っていないようである。 また、子供のメタ記憶の過程は、子供自身の期待やバイアスの影響を受けるので、子供達は、もっともらしいが正しくない話を、作話ではなく本当の話であると判断するのである。 しかしながら、正確性についてテストされていると知っている時に、子供達は、答えられない質問に対しては、作話せずに「知らない」と答える割合が、大人よりも高い。 最終的には、誤りの情報によるトラブルは、たいていは年齢に伴う発達により、その子供が必要とする交流を行うことを通じて、次の発達段階に達することにより、最小化される。
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