姿勢にあらわれる情緒の認知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:22 UTC 版)
「先天盲からの回復」の記事における「姿勢にあらわれる情緒の認知」の解説
情緒を表す様々な姿勢、「考え込む」(ほおづえをつき顔を傾斜)、「悩む」(こめかみを指でおさえ、肘を他方の手で支持する)、「自信」(腕を前で組み、上体を後ろにそらす)、「注目・関心・興味」(体を前方に傾け、一点を見る)、「落胆」(うつむき、肩をおとす)、「拒否・拒絶」(a.顔を上へ向ける・b.横を向く) の認知実験が、身振り・手振り認知実験などと並行して行われた。 姿勢の認知実験初期、被験者は<悩み>に対し「肘をついてる」「頭を押してる」、<自信>の姿勢に「手を組んでいる」、<拒否a>に「横を向いた」など姿勢の変化や形態の視認には進展をみせていたが、その姿勢から気分・情緒を忖度することはなかった。実験を重ねるにつれて、たとえば<注目・関心(体を前に傾け一点を凝視)>に対し「おじぎをしている」という「行動の社会的意味の把握」の反応を示し、<自信>に対し「考えごとをしている?」といった人の身体形状に対しその人の精神状況を類推する志向を示すようになった。実験者らは「動作・姿勢に現れている人の気持ち・気分」を教示するとともに、実際に自分でその姿勢を実演させてその気分や情緒を尋ねるという過程を設けることで、他者の姿勢から情緒・気分を読みとる認知力の向上を図った。 半年以上の実験期間を経て、<拒否・拒絶 (b.顔を上げる)>に対し「ダメジャ!」、<自信>に対し「くたびれたー」など、身体の姿勢から対象の情緒をくみ取ろうとする反応も増えていった。しかし一定の姿勢以外では長期の実験期間後も、課題遂行に困難を示していた。
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