姿勢と四肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/11 03:40 UTC 版)
ヘスペロスクスの全長はわずか1.2 - 1.5メートルにすぎず、比較的小型で華奢なワニ形上目の動物だった。オルニトスクスやサルトポスクスにごく近縁であり、これら2属もまたワニ形上目に分類される。ヘスペロスクスの後肢は大きく長い一方で、前肢は小さく細かった。このことから、ヘスペロスクスは実際には二足歩行を示す動物だったという仮説が導かれた。サルトポスクスの後肢とヘスペロスクスの後肢を比較したところ、両者の大きさと強さが等しいことが判明した。両者の長く伸びた後肢の長さは、仙椎より前方の椎骨の長さにほぼ一致する。サルトポスクスはフリードリヒ・フォン・ヒューネが記載し、条件的な四足歩行の動物として復元した。ヘスペロスクスも同様に二足歩行と四足歩行の両方を用いたと信じられている。細長い手は物を握ることに適しているらしく、食料採集や採掘および防衛に役立った可能性があり、二足歩行の場合が多かったと考えられている。前肢と後肢からはそれぞれ5つの指骨と趾骨が発見されている。ヘスペロスクスの尾が長いのは体重のバランスをとるためであると推測されている。尾椎が完全には保存されていないため、約45個の尾椎を含む尾を持つ似た主竜類を基準として推論された。後肢が強力で体重も軽いため、ヘスペロスクスは非常に機敏に素早く行動できた。この速度のアドバンテージにより、ヘスペロスクスは小型の獲物の捕獲や大型捕食者からの逃亡が可能だった。
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