失速警報装置の作動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 15:39 UTC 版)
「トランス・ワールド航空843便大破事故」の記事における「失速警報装置の作動」の解説
事故時は副操縦士が操縦を担当していた。離陸滑走をして車輪が地面を離れた直後に、突然スティックシェイカー(失速警報装置)が作動した。 スティックシェイカーは、対気速度と迎え角の関係が一定条件になると操縦桿が振動して操縦者に知らせる装置である。これはその後発生するであろう失速を予告し操縦者に適切な処置を促すものであり、まだ失速状態に入っていない状態で失速を警告する。843便は失速するまでにはまだ余裕があり、緊急事態を察知した副操縦士は、慌てて操縦を機長に手渡した。機体はすでに少し浮上していたが、機長は滑走路の端に到達するまでに停止できると考え、離陸の中断を決定し、エンジンの推力を絞った。機体は 16フィート (4.9 m) 浮上しただけだった。 しかし、ほとんどの燃料が残っている状態の機体は許容着陸重量をおよそ 71,000ポンド (32,000 kg) オーバーしており、さらに着地時の降下率が降着装置の許容する 6フィート毎秒 (1.8 m/s) を上回る 14フィート毎秒 (4.3 m/s) であったためハードランディングとなった。これにより右主翼付け根と右主脚間のリアスパーが破損し、中の燃料が漏れ出たため火災が発生した。 機体は着地点からおよそ1,500メートル先の滑走路左側で停止した。
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