太陽系の二重惑星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:31 UTC 版)
2011年現在、太陽系に二重惑星と呼べる系は発見されていない。 既知の太陽系天体の中で二重惑星の候補となり得るのは、地球と月のペア、及び冥王星とその衛星カロンのペアである。 地球と月からなる系の場合、月の直径は地球の1/4、質量は1/81である。これは衛星のサイズとしては異常に大きいが、質量を見た場合、「地球と似通った大きさ」と呼ぶには小さすぎる。また地球と月の共通重心は地球の表面よりも内側にあるため、地球と月は二重惑星ではないという見方が一般的である。 冥王星とカロンの場合、質量比が7:1であり、また共通重心が宇宙空間にあるため、定義によっては二重惑星と見ることができる。しかし、そもそも冥王星自体を惑星に含めてよいかどうかについてはかねてから疑問の声があった。2006年8月に開催された国際天文学連合総会では、当初太陽系の惑星として、既知の9個にケレス、2003 UB313(エリス)とともにカロンを加えることが提案され、これが採用されれば冥王星とカロンは正式に二重惑星と認定される可能性があったが、結果的にカロンは衛星のまま、冥王星を惑星から準惑星に分類しなおす形となった。もし今後カロンも準惑星とされることがあれば「二重準惑星」になるわけである。 一方小惑星では、アンティオペ(アンティオペの直径約87.8 ±1.0kmであるのに対し、その衛星の直径は約83.8 ±1.0kmと大きさが似通っている)を始めとして、二重小惑星(連星小惑星)が複数発見されている。このような小惑星はありふれた存在だと考えられている(小惑星の衛星を参照されたい)。
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