天候への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/05 08:00 UTC 版)
「マッデン・ジュリアン振動」の記事における「天候への影響」の解説
MJOは全体的には東進するが、分岐して北進や南進する循環場もある。この循環場は通常、積乱雲群を連れてやってきて数日~十数日間かけて通過するもので、この地域のモンスーンと非常に深く関連している。世界で最も顕著なモンスーン地帯であるインド付近のモンスーンも、MJOの北進に合わせて始まり、また1~2カ月周期で強弱変動する。 海洋大気相互作用にも関連しており、エルニーニョの開始に関与しているほか、終了にも関連する場合がある。1997年~1998年の大規模エルニーニョの際には、MJOがエルニーニョの海域に差し掛かったことがきっかけで、急速にエルニーニョが終息したとの研究結果が発表されている。 また、熱帯低気圧との関連を研究する論文もあり、MJOに伴う対流活動の活発な領域では熱帯低気圧の発生が促進され、また北西太平洋(日本付近を含む)と北大西洋ではどちらかで熱帯低気圧の活動が活発な時もう一方では不活発という逆の相関が見られるが、これはMJOの周期性が原因であるというものである。熱帯低気圧の発生要因は多数ありMJOはその中の1つに過ぎないが、アメリカ海洋大気圏局(NOAA)の国立ハリケーンセンター(NHC)や気候予報センター(CPC)はハリケーンの予測の資料の1つとして用いている。 また、偏西風やジェット気流の異常、ブロッキングなどを通じて、日本にいわゆる異常気象と呼ばれるような天候をもたらす、間接的な要因の1つでもある。
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