大腸菌のレプリソームとは? わかりやすく解説

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大腸菌のレプリソーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:03 UTC 版)

DNA複製」の記事における「大腸菌のレプリソーム」の解説

レプリソームとは、DNA複製伸長段階において複製フォーク形成される酵素総称である。複数複合体集合し1つの「工場」として機能していると考えられている。その詳細が最も明らかになっているのは大腸菌であるが、大腸菌における酵素構成とそれらの協調的機能紹介する。 レプリソームにおいて最も重要なのはやはりDNAポリメラーゼだろう。大腸菌においてこれを含み実際にDNA伸長させる複合体DNA Pol IIIホロ酵素である。構成するタンパク質2つpol IIIコア酵素とγ複合体(クランプローダータンパク質)、さらにSSB相互作用するχとφサブユニットである。pol IIIコア酵素DNAポリメラーゼたるpol IIIαサブユニット)と3’→5’方向DNA修復をするエキソヌクレアーゼ(εサブユニット)、θサブユニット、さらにDNAクランプであるβクランプβサブユニット二量体)で構成される一方、γ複合体はγ、δ、δ’および2つのτサブユニットから成る見た目から言えば、βクランプ構える5本のサブユニットと、その五本指の手のような巨大部位伸びている細長いτサブユニットがある。τタンパク質先端pol III(とDnaB)に結合し一方装着部位との連結鎖は柔軟である。2つpol IIIそれぞれリーディング鎖ラギング鎖担当するためγ複合体つながっていてもある程度自由に動けなければならない連結鎖の柔軟さこのためにあるとされる。 各サブユニット相互作用について説明する。まず、βクランプDNAクランプの項で説明したようにpol III結合する。レプリソームはさらにDnaB(DNAヘリカーゼ)を含み、γ複合体相互作用する。。2本のτサブユニットはDnaBにも連結するために挟み込むためである。この連結はDnaBの移動速度10倍に促進する次に、プライマーゼの相互作用はDnaBとの間で起こる。この場合、ほかの構成タンパク質異なり複製フォークへの結合強固ではない。もともとプライマーゼの役割SSB覆われssDNA結合してプライマー合成することであるが、このときにヘリカーゼとも結合する。その理由は、この結合が本来の仕事1000倍に促進するためである。仕事が済めばDNAからすぐに離れる真核生物の場合大腸菌のように2つDNAポリメラーゼによる複合体形成しない。γ複合体にあたるクランプローダータンパク質(複製因子C : replication factor C:RFC)は存在するが、リーディング鎖ラギング鎖の各DNAポリメラーゼ別々に働く。

※この「大腸菌のレプリソーム」の解説は、「DNA複製」の解説の一部です。
「大腸菌のレプリソーム」を含む「DNA複製」の記事については、「DNA複製」の概要を参照ください。

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